その時は突然でした。父は入院していましたが当然退院できるものだと思っていました。だが徐々に様態は悪化しついには病院より訃報の電話が入りました。
病室内で死亡の確認を終えると、すぐさま葬儀屋の手配をお願いされました。そう言われても葬儀屋など縁も無く、逆に病院で提携してる葬儀屋は無いのかと尋ねましたが市立の病院ではそのような提携関係はされていないと言われました。
幸い県外に住む兄弟に父の訃報とともに葬儀屋を探してもらいました。元々父は日頃から「派手な葬儀はいらん」と公言していたこと、また大坂の葬儀屋の説明で『直葬』というプランがあると聞かされたのでお願いすることにしました。
病院内で簡単な式を済ませると葬儀屋が父を搬送し火葬日まで保管してくれました。そして火葬の日、家族はタクシーで火葬場まで赴き、現地で葬儀屋と合流しました。父はきれいな棺に納められ、私どもが失念していた花束も持ってきてくれました。
火葬が始まり家族は待合室へ。その待機中に葬儀屋への料金を支払いました。火葬終了のアナウンスが流れ、そのまま遺骨を壺に納めることに。いわゆる葬儀的なもののないシンプルなお別れの仕方でしたが、父も「これでいい」と頷いていたかと思います。帰りは葬儀屋の車で家まで送っていただきました。
葬儀屋は役所への死亡届の手続きも代行してくれましたので助かりました。色々縁のある方に来て頂く葬儀も良いかと思いますが、家族だけでのお別れ会もまた良いのではないでしょうか。